こんにちは、セラピスト時々看護師 chie です。
そろそろインフルも下火かもしれませんが、インフルでなくとも、こどもの発熱は 1 年中お付き合いのあるものです。
看護師方面の仕事で、電話相談をうけていますが、最近気になるこんな相談。
40度熱があります!受診はしてます!どうしたらいいですか??
解熱剤? もらいましたが、使ってもいいんですか??
うーん……
解熱剤は玉手箱ではないのですが。
使ってはいけないものはあげません……
この相談、1度や2度ではないんです。結構よくあります。
どうにもこうにも、「発熱」と「解熱剤」に対しての認識がうまくない印象です。
ということで。
特に、医療機関の手薄な夜間や休日のこどもの発熱、考え方をご紹介したいと思います。
まずはベースの発熱基準ふたつ
発熱、って何度を指しますか?
平熱が低ければ、36度台でも発熱だという方もいるでしょう。
平熱が何度であれ、一般的に夜間でも受診を考えたい基準となるものがつぎのふたつ。
- 3カ月未満の赤ちゃんで 38 度以上の熱がある
- そのほかのこどもで38.5度以上の熱がある
まず、1 の場合は、赤ちゃんがたとえ元気でも、受診したいところです。
3カ月未満の赤ちゃんで38度以上の熱、1度も受診をしていない場合のこと。
その後、急変しやすかったり、何かほかのトラブルのサインかもしれないので、とにかくすぐに診てもらったほうが無難、とされます。
カラダの機能がまだまだ未熟で、トラブルに対応する能力が低いので、万が一に備えることが、3カ月未満の赤ちゃんには大切になります。
一度受診をしたら、再度の発熱ではどうするかを、医師にしっかり確認を。
赤ちゃんの状態によってもアドバイスが変わってくると思います。
2の場合はパターンがたっくさんあります。混乱されるおかあさんも多い印象です。
発熱、というだけでも緊張しますよね。
無理もないと思いますが、ひとまず落ち着いて、こどもの様子をよくみて、そこから考えます。
38.5度以上の熱、対応パターンイロイロ
「38.5度以上」は字のまま。39度あっても40度あっても、きほんとして対応は同じです。
よく、「39度もあるんです !」「40度になってるんですよ !!」と言われるのですが、
39度になったから、40度になったから、といって特別なことはしないのです。
パターンと対処イロイロ ~その1~
※ 一般的なパターンです。持病がある、退院直後、けいれんもち、などの特殊ケースは考えません。
● 38.5度以上ある。すでに受診はした。こどもは元気。
→様子見。きほん、もらった薬がなくなるまで自宅療養。
● 38.5度以上ある。受診はしていないが、こどもは元気。
→様子見。翌日受診。
● 38.5度以上ある。すでに受診はした。こどもがぐったりしている。
→解熱剤が手元にありますか? あったら使う。なかったら受診。
● 38.5度以上ある。受診していない。こどもがぐったりしている。
→受診しよう。
● 38.5度以上ある。受診して、3日続いている。熱の割に元気。
→様子見。薬がなくなって、まだ熱があったら受診。
● 38.5度以上ある。受診して、3日続いている。だんだん元気がなくなってきている。
→水分が摂れない・おしっこが出ていない、顔色がどんどん悪くなるという場合以外は、夜間は休ませて翌日かかりつけ受診。
● 38.5度以上ある。受診ずみ。日中は元気だが、夜上がる。
→様子見。日中も安静にできるならさせる。
● 38.5度以上ある。受診していない。日中元気だが、夜上がる。
→様子見。熱が下がっていても、翌日受診しておく。
パターンと対処イロイロ ~その2~
夜のきほんは、「寝てたら様子見」です。
起こして何かをする必要はありません。寝るのは大事な治療のひとつです。
● 夜です。寝てます。熱が40度あります。今から受診したほうがいいですか?
→寝てたら、様子見です。
● 夜です、寝てます。熱が40度あります。座薬をいれたほうがいいですか?
→寝てたら、座薬はつかいません。起こさないように、保冷剤で冷やしてあげましょう。
● 夜です。寝てますが、何度も寝たり起きたりしています。40度あります。解熱剤、あります。
→使用時間に適していたら、解熱剤をつかってあげましょう。
● 夜です。寝てますが、何度も寝たり起きたりしています。40度あります。解熱剤、ありません。
→受診しましょう。
解熱剤の使い方になやむ。
病院で解熱剤もらったんですけど、使っていいんですか?
解熱剤は、いつ使ったらいいんですか?
6時間経ってないんですけど、また熱があがってるんです!
などなど、解熱剤の使い方も迷われる様子。
解熱剤の使い方は、単純です。
- 38.5度以上あります。ぐったりして、眠れません。
- 38.5度以上あります。寝ますが、何度も起きてしまいます。
はい。「眠れなければ使う」です。
それ以外は使う必要性はそんなに高くありません。
ときどき、6時間おきにしっかり使っている方がいますが、
熱のほうが強いとき、解熱剤を使っても、すぐに熱があがります。
それで、また解熱剤を使って……と繰り返すと、
熱の上下でカラダに負担がかかります。
日中であれば、カラダを冷やす、水分を摂らせる、の様子見で十分だと思います。
それから、夜18時とか19時に解熱剤を使おうかな、と思ったとき。
ちょっと待った。
その時間に使うと、いざ眠りたいと思う21時とか22時にごろ、また熱が上がってくる可能性があります。
夕方、解熱剤を使いたいと思ったら、「本来寝るべき時間にどうなるか」を逆算してみましょう。
様子をみて、「本来寝るべき時間に眠れなければ使う」ほうが、こどもの負担も少ないですし、ご両親も夜遅くなってから焦らなくて済むのではないかなぁ、と思います
ざっと、思いつく基本パターンをあげてみました。
パターンはありますが、まずは目の前のこどもの様子をよく観察してあげてください。
熱の数字で判断するのではなくて、こどもの様子で判断しないと、ですからね。
こどもの発熱でこまっているおかあさん方の参考にすこしでもなれば、幸いです。